第10次職業能力開発基本計画とセルフキャリア・ドックを徹底解説!~キャリアコンサルタント量産計画
目次
第10次職業能力開発基本計画
第10次職業能力開発基本計画も覚えなきゃいけないの、、、
まー11次が出てるから優先度は下がってるかなぁ
でもリカレント教育とかセルフキャリア・ドックとか
重要単語はたくさんあるから要チェック!
狙い
グローバル化の進展やIoT、ロボット、ビッグデータ解析、AIなどの技術が進歩してきました。
また産業構造も変化して、国際化も進んでいます。
そして、今後より急速な人口減少も進んでいきます。
そんななか、ビジネス環境は急速に変化をしていくでしょう。
そんな中で、日本経済が成長するためには一人一人の働く人の生産性向上が不可欠になります。
変化と課題
・人手不足
雇用は着実に改善してきているが、
建設・運輸・郵便・医療・福祉・卸売り・小売り・宿泊飲食業での人手不足感は強くなっています。
雇用情勢が改善しているということは、賃金上昇を狙った自発的な転職が増えていきます。
・産業構造の変化
第一次産業と第二次産業から第三次産業へと比重が移ってきています。
経済のサービス化が進展する中で、IT技術の進歩により労働需要も変化していきます。
定型的な作業が多い職種の需要が減り、技術に代替されない職種の需要が高まるでしょう
しかし、日本は企業が行う人的資本投資が主要国と比較して少ないです。
将来の発展の基礎となる人的資本が蓄積されていないことが懸念点です。
・人口減少
少子高齢化により人口は減っていきます。
また労働者の平均勤続年数は男女ともに長期化していきます。
しかし女性の潜在的な労働力と人材の就業率にはまだギャップがあるため女性の活躍を促進しなければいけません。
そして非正規雇用労働者数は増加しています。
障害者においては新規求職申込件数が増加しており、
障害者のニーズに応じた就職が実現できるように一層の環境整備が求められています。
・自己啓発
そして労働者の自己啓発の状況を見ると、
正規雇用の人は非正規雇用と比べて自己啓発を相対的に多く行っています。
自己啓発が出来ない理由は
・仕事が忙しくて
・費用が掛かりすぎる
・何をやったらいいのかわからない
という理由が挙げられています
なんか第11次でもおんなじこと言ってたな、、、
第10次職業能力開発基本計画
①生産性向上に向けた人材育成の強化
国・企業・民間教育訓練機関・学校などの教育訓練資源を有効活用して人材育成を強化しよう
グローバル市場で稼いでいくためには、人材育成に積極的に取り組むことが大事。
企業内の人材育成投資を促進する取り組みの強化が必要です。
また、労働市場の不確実性や職業人生の長期化により、
「就社」ではなく「就職」を意識する労働者が増えました。
職業人生を通じた継続的なキャリア形成が重要になっています。
②「全員参加の社会の実現加速」に向けた職業能力底上げの推進
女性・若者・中高年・障碍者などの全ての人が能力を存分に発揮できる
「全員参加の社会」の実現に向けて一人一人の能力の向上を目指す。
全ての人材が能力を高め、その能力を存分にできる
「全員参加型の社会」に向けて一人一人の能力の底上げが重要です。
高齢期に入る前の段階では、職業生活設計や能力開発が必要です。
キャリアコンサルティングによって見つめ直すとともに
中高年齢期における職業能力形成を公的職業訓練によって支援していく必要があります
また就職氷河期によって不本意に非正規雇用に就いた人は、
職業能力開発機会が乏しくなっています。
継続的な支援によるキャリアアップが重要です。
③産業界のニーズや地域の創意工夫を生かした人材育成の推進
様々な主体がネットワークでつながり、地域レベルでの人材育成を実施していく
地域の特色を生かした産業活性化を目指すために、
様々な主体がネットワークでつながり、
産業ニーズに反映した人材育成を地域レベルで実施していく必要があります。
④人材の最適配置を実現するための労働市場のインフラの戦略的展開
人材の最適配置・個々の労働者の能力を最大限に生かすために職業訓練と職業能力評価をすすめよう
人材の最適な配置のために職業訓練制度と職業能力評価制度を活用します。
キャリアコンサルタントやジョブ・カードなどを含めた能力開発ツールを整備して展開することによる
労働市場インフラの戦略的展開が重要な課題です。
また職業能力評価制度によって労働者の職業能力の「見える化」を進めることで、
産業界が求める能力との円滑なマッチングを行えるようにもなります。
というのが概要です。
では具体的に何をすすめてきたのか
では①②④の具体的な施策を見ていきましょう
①生産性向上に向けた人材育成の強化
①生産性向上に向けた人材育成の強化
・IT人材の育成の強化と加速
・労働者の主体的なキャリア形成の推進
→キャリアコンサルティングやジョブ・カード・教育訓練給付制度を活用
・企業・業界における人材育成の強化
→セルフキャリアドックの導入・教育訓練給付制度の活用促進
さて第10次はキーワードのオンパレードです!
ジョブ・カードはまた別の記事で説明します!
ジョブ・カードとは?キャリコン試験再頻出の超重要ワードを解説~キャリアコンサルタント量産計画
セルフキャリア・ドックって?
セルフキャリア・ドック
セルフキャリアドックとは
企業がその人材育成ビジョン・方針に基づき、
キャリアコンサルティング面談と多様なキャリア研修などを組み合わせて、
体系的・定期的(労働者の年齢・就業年齢・就業年数・役職等の節目)に従業員の支援を実施して、
従業員の主体的なキャリア形成を促進・支援する総合的な取組みのこと
セルフキャリアドックのメリットは?
・従業員にとってモチベーションが上がる
・キャリアの形成に役立つ
・企業にとっても人材が定着して活性化する
セルフキャリア・ドックを行う時期や対象は企業によって様々ですが
例を挙げると
・入社した時
・入社後5年や10年など一定の期間がたった時
・一定の年齢に到達したとき
と時間で区切る場合もあれば
・若手従業員への定着のため
・育児・介護休暇復帰者を定着・復帰させるため
・中堅社員のキャリアの再構築をはかるため
・シニア層に変化をもたらすため
など従業員によって変える例もあります
こちらも助成をおこない促進をしています。
②「全員参加の社会の実現加速」に向けた職業能力底上げの推進
「全員参加の社会の実現加速」に向けた職業能力底上げの推進
・女性の活躍促進に向けた職業能力開発
出産・育児・介護などによって離職した人にキャリアコンサルティングの機会を与える
・若者の職業能力開発
・小学校・中学校からキャリアコンサルティングの機会を確保する
・ニートの若者に向けて地域若者サポートステーションを設ける
・ものづくりマイスターによる実技指導などの実施
・中高年齢者・障碍者への職業訓練機会の提供
・非正規雇用労働者の職業能力開発
・キャリアアップ助成金の活用等による職業訓練機会の確保や、
同助成金の手続の簡素化・周知広報などを行う
・企業内での研修、教育において正社員と非正規雇用との格差はいまだにおおきくあります。
・障害者の職業能力開発
・障害者職業能力開発校での職業訓練、障碍者向けのデュアル訓練
・全国障害者技能競技大会の実施
ここで補足。
小学校では2020年、中学校では2021年から施行される新学習指導要領で
学級活動で「一人一人のキャリア形成と自己実現」が掲げられます。
タイムリーな話題なので要チェックです
小学校からキャリア形成か、、、
うちの小学校は男子の7割がサッカー選手になりたいって
言ってたけど、、、
今思うと将来のことなんて考えてなかったな
④人材の最適配置を実現するための労働市場のインフラの戦略的展開
④人材の最適配置を実現するための労働市場のインフラの戦略的展開
・産業界や地域のニーズを踏まえた公的職業訓練等の実施
・技能検定などの業界内共通の検定に加えて企業単位の社内検定の推進
・若者や女性や就業困難者など、対象者の多様化に応じて訓練機会を提供
・訓練サービスの提供の効率化のためにeラーニングなど新たな職業訓練コースの開発
・ジョブ・カードの活用促進
※ジョブカードは平成27年10月から
生涯を通じたキャリアプランニングのツール及び職業能力証明のツール
として活用するものとして見直されました
・求職活動や職業能力開発などの各場面においての活用を促進していく
職業能力開発分野の国際連携・協力の推進
外務省などの関係機関と連携して開発途上国の人材育成に対する支援を行います。
そのために訓練指導員や職業能力開発分野の専門家を派遣して、
職業能力開発県警施設の整備・運営にかかわる助言などを行います。
さらに、開発途上国の職業訓練指導員を日本に積極的に受けて入れて必要な能力を付与していきます。
やっぱり第11次とあんまりかわらないね
うん、
11次ではSociety5.0っていう目標が新たにあったけど
基本はかわらないよね
この記事の監修者
キャリアコンサルタント
兵庫 直樹
国家資格キャリアコンサルタント。大手外資系ホテル勤務を経て、15年に亘り、マネジメント業務に従事。 その中で人材関連に興味を持ち、キャリアコンサルタントを取得し人材業界へ。その後、持ち前のコミュニケーション能力と資格を生かし、ハローワークにて就業支援に従事してきた異例の経歴!