出戻り転職を成功させるためのポイント。後悔しないための3つの注意点と面接対策
以前の職場に戻りたいけどなんかみっともないかな
前職の上司に「戻ってこないか?」って言われた、、、
どうしよう
「出戻り転職」実は増加傾向にあるんです。
リクルートやニトリ、キリンなどの大手も出戻り社員が戻ってきやすい環境を整えています。
ですが!元いた職場に元いた状態で簡単に戻れるなんて甘いです!
出戻りを簡単に考えている人は必ず後悔します!
なぜなら、出戻り社員を良く思っていない人は沢山いるからです。
そもそも再度雇ってもらえる保証なんてありません。
出戻り転職を後悔しないために必ずよく吟味しましょう。
目次
出戻り転職は珍しくない
実は出戻り社員の受け入れ実績がある企業は増加傾向にあります。
一度退職した社員を再雇用したことがある会社は72%。
出戻り社員を受け入れた理由としては
「即戦力を求めていたから」「人となりがわかっているため安心だから」
が上位に並びます。
そして条件があれば再雇用をしたいと考えている会社はなんと約7割もあります。
(参考:企業の出戻り(再雇用)実態調査2018 エン・ジャパン)
Jobリターン制度がある会社もある
上記の調査によると再雇用制度を設けている会社は8%と少数です。
ですが、そこには
・株式会社ニトリ
・キリンホールディングス株式会社
・大同生命株式会社
・帝人株式会社
と大手有名企業が名を連ねます。
出戻りが増えている理由として確かに人材不足もあるでしょう。
ですが、キャリアに対する考え方がより柔軟になったからでもあります。
社員個人が成長するためにも、異なる環境でのスキルアップや経験は有効です。
また、企業の成長にとっても外部の経験を取り入れるのはイノベーションの切っ掛けにもなるでしょう。
変化の激しい現代において認められつつある雇用制度です。
即戦力として歓迎される
人材採用とは非常に難しいものです。
経験やスキルがあったとしても会社の環境が異なれば成果が出せない人もいます。
ですが、実際に働いていたことのある人であれば
期待通りに働いてくれるでしょう。
企業が出戻り社員を歓迎するのは
・人材不足の解消
・ミスマッチの解消と採用コストの削減
・即戦力の補強
・外部からの新しい刺激
というメリットがあるからです。
自分の会社で培った経験を土台に、新しいスキルや経験を積んできた人材は
即戦力になるだけでなく、自社に新しい気付きを与えてくれるかもしれません。
出戻り転職のメリット
さて、出戻りを考えている人はメリットとデメリットを比較して良く検討しましょう!
企業側の経営面からみると、出戻り社員を雇うことはメリットが大きいです。
出戻りを実際にする人、その個人にとってのメリットはどのようなものがあるでしょうか。
ミスマッチが少ない
仕事の流れや社内の雰囲気はすでに知っているので
「思っていたのと違う!」みたいなことは無いでしょう。
企業の良い面だけでなく悪い面も知っているためストレスが少ないです。
出戻りを考えている人の多くは新しい転職先でミスマッチを感じています。
「なんか違うな」「前の会社の方がよかったな」なんて。
他の会社に行ってから初めて今までいた環境の良さに気づくものです。
即戦力として活躍できる
かつてのポジションにそのまま収まる保証はありません。
ですが会社のやり方やルールを熟知している「あなた」なら
早期にやりがいのある仕事を任されるでしょう。
人間関係も熟知しているため、コミュニケーションも円滑です。
そのうえ他社で培った経験やスキルを活かすことで
他の社員にはない新しい視点からの提案が出来るかもしれません。
全く新しい会社に転職したなら、
会社のルールを覚えて、やり方を学んで、初めましての人たちとの関係を構築して、、、、
重要な仕事を任せてもらうためには1から信頼関係を積み重ねなければいけません。
他社で学んだ新しい知識を持ちこめる
これは中途入社の社員全員に当てはまることでもありますが、
出戻り社員の場合はちょっと違います。
やり方やスキル、経験、ルールなどを知ったうえで
新しい知識を吸収してきた「あなた」はすぐに応用が出来るはずです。
また、転職先の会社にいたときに感じているはずです。
「前の会社とやり方が違うけど、このやり方の方が効率がいいな」
「こうゆう考え方をするのか。前の会社とは違うな」
その違いに気づいて知識として持ち帰れるのは出戻り社員の「あなた」だけです。
出戻り転職のデメリット
出戻りはもちろん良いことばかりではありません。
出戻りで後悔している人は大勢います。
前と同じ環境を期待して再度入社したのにもかかわらず
ギャップを感じてしまうと逆にストレスが溜まってしまうでしょう。
あらかじめデメリットをしっかり理解したうえで検討しましょう。
次はいよいよ辞めずらい
これから多くのデメリットを紹介しますが、
それを肌で感じたときに「辞めたいな」と思うこともあるでしょう。
ですが!再度入社した会社をまた辞めるとはなかなか言い出せないものです。
出戻り転職は片道切符です。
もしまた退職したらもう2度とその会社には入社できないでしょう。
また以前の上司や同僚などに頼って再度入社した場合は特に
その人たちの顔に泥を塗ることにもなりかねません。
よくよく考えてから決めましょう。
人間関係には覚悟しておこう
出戻り社員を快く迎えてくれる人ばかりではありません。
あなたは
「会社から逃げた人」
「自分たちを裏切って他に行った人」
「辞めたけど他で通用しなかった負け犬」
「どうせまた辞めるんでしょ」
とも思われるかもしれません。
そしてあなたがいない間に会社は変わっています。
あなたがやっていた仕事は他の人がやっているでしょう。
部下だった人が昇格して上司になっているかもしれません。
全く知らない新しい人もいて、その人から見たらあなたは
「後から入ってきたのになんか偉そうな人」っと思われるかもしれません。
労働条件が下がる可能性もある
以前と同じポジションで業務をスタートできるわけではありません。
そのポジションはすでに他の人が埋めているはずなのだから。
もし転職先で大きな成果を出して成長しているのであれば
労働条件が上がって、以前よりも上のポジションで入社できる可能性もあるでしょう。
ですが、大抵は労働条件が下がると思ってください。
出戻り社員の多くは、自分から求人に応募して再度選考を受けての入社です。
0からスタートするという気持ちを忘れてはいけません。
以前とは環境が変わっていることもある
あなたがいない間にも会社は動き続けています。
・以前良くしてくれた上司がいない
・全く知らない人が新しい上司
・新しいルールに適応できない
・元部下のもとで働かなければいけない
なんてことは当たり前に起こり得ます。
辞めたときの退職理由が解消されていない
そもそもなぜあなたは一度退職を決意したのでしょうか?
時間がたつと過去の記憶が薄れて、その理由も大したものではないと思いがちです。
人間関係の悪化で退職したのならば
なおさら職場の人たちはあなたの復帰を快く思わないでしょう。
労働条件が合わなかったのであれば
それよりも低い労働条件だったらどうしますか?
もっとキャリアアップをしたいと考えたのであれば
元の職場に戻ることはキャリアアップにはならないのでは?
出戻り転職を後悔しないためのポイント
お気づきの方もいるかもしれませんが、ちょっとデメリットを強調して書いてきました。
というのも私は基本的に出戻り転職はあまりお勧めしていません。
出戻りして後悔している人をあまりに多く見てきたからです。
ですが、なかにはもちろん出戻りで成功している人もいます。
後悔しない出戻りをするために重要なポイントをまとめてみました。
後悔するリスクを事前に覚悟する
当たり前のようですが、一番大切なのは「覚悟」です。
出戻り転職を簡単に考えている人は大勢います。
「新しい会社に転職して合わなかったら元に戻ればいいや」
「前の職場だったらいつでも戻れるから保険としてとっておこう」
「一回働いたことのある会社だから安心だね」
なんてふうに。
また、昔の同僚と飲みに行ったときに軽く
「戻って来いよ!」なんて言われることもあるでしょう。
ですが!そんな軽い気持ちで入社を決めては絶対にいけません!
不退転の決意で、改めて志望動機を考えてください。
柔軟性を持って0からスタートする
もちろん以前の経験は活かせます。
それを期待しての採用でしょう。
ですが!0からスタートする気持ちで入社した人ほど上手くいきます。
以前のポジションは忘れて最初は雑務でもなんでも新入社員がやる仕事を率先してやりましょう。
そして以前いたときの常識を振りかざしてはいけません。
あなたのいない間に環境は変わっているのです。
謙虚な気持ちを忘れずに、、、
今の職場で役に立つスキルや知識を持っていく
以前と比べて何も成長していないあなたを見て周りはどう感じるでしょうか。
転職してから1年以内に出戻る場合であっても何らかの学びは無くてはいけません。
その間にも周りは成長しています。
もしあなたが転職活動や転職先の基礎研修だけで無為に時間を過ごしているのであれば
まだ出戻るタイミングではないのかもしれません。
そもそも依然と何ら変わりないあなたを本当に会社は必要としていますか?
自身のキャリアプランを考える
新しい職場に行けば新しいキャリアが広がります。
あなたは退職をした時に違うキャリアを目指していたのではないのでしょうか?
逃げで出戻りをする人は後悔します。
自分自身のキャリアプランを考え抜いたうえで、
多くの選択肢のなかから出戻りを選んだ人の方が後悔が少ないでしょう。
しっかりキャリアプランを持っている人にとって出戻りは立派な選択肢です。
前の会社では学べないことを、転職して他社で学び、出戻りして再度自身のキャリアを歩む。
そういった道筋がしっかり見えているのであれば出戻りは成功します。
上司、同僚との事前の根回し
選考に行く前に、入社を決める前に必ず以前お世話になった人には挨拶をしておきましょう。
シレっとサプライズで入社して喜んでくれることを期待してはいけません。
私もそういう妄想をしたことがありました。
「前職にフラっと戻ったらきっと皆歓迎してくれるんだろうな」
なんてことはありません!
あなた無しですでに会社は回っています!
親しき中にも礼儀あり。事前に挨拶してしっかり関係性を築き直しましょう。
出戻り転職を後悔しないために覚悟しておくべきこと
さて、前述で「覚悟」が大切と書きました。
ではどんなことに覚悟すればいいのでしょうか?
誰しもが暖かく迎え入れてくれるわけがない
前述のとおりあなたは必ずしも暖かく迎え入れられるわけではありません。
嫌がる人もいるでしょうし、依然とは違った人間関係が待っています。
謙虚な気持ちを持って0から関係構築をしていく覚悟が必要です。
新しい環境が辛くて前の環境がよく見えているだけかも
よくあることですが、どんな職場でも転職したてはストレスが溜まります。
嫌なこともあるでしょう。
久しぶりに教えられて、注意されてストレスが溜まっているかもしれません。
慣れない人間関係や職場環境、仕事内容、通いなれていない通勤経路。
何もかもがストレスです!
そんななか、慣れ親しんだ前職は必要以上に良く見えてしまいます。
私もそうでした、、、
あれだけ嫌だと感じていたことも、きつかった労働条件も
ちょっと経ったら思い出として全部が美化されています。
きつかったけど楽しかったな、あれがあったおかげで成長できたな、、、
それはそれで良いことですが!
現実はそんな甘くありません!
新しい会社に行くよりも多くのストレスが待ち構えていると覚悟しておきましょう!
新しい成長の機会を逃してしまっているかも
出戻りしたても大変ですが、1年たたないうちに環境には慣れていくでしょう。
ですが、その後はマンネリが待ち構えています!
前にも経験したことを再度おこなうこともあるでしょうし、
新しい挑戦ができないこともあるでしょう。
良くも悪くも慣れ親しんだ環境です。
せっかく転職して新しい挑戦や成長が出来る機会をふいに逃しているかもしれません。
出戻り転職で内定を獲得するために
そもそもこれまでの話は内定が取れることを前提に書いてきました。
ですが、実際はそんなに甘くはありません。
内定が取れない人も大勢いますし、
前いた職場から不採用と言われることは結構ショックです!
なんの用意も無しで内定取れるほど甘くはありません。
しっかりと用意しましょう。
出戻りだからと言って油断は禁物
書類選考段階でお見送りになるケースも沢山あります。
確かに業務を経験してきたあなたは企業にとって即戦力となる可能性も高いでしょう。
ですが、一度辞めた人間です。
再度同じ理由で早期退職をしてしまう懸念もあります。
「あなた」の評価が高くなかったことも考えられます。
・辞め方が汚かった
・成果を出していない
などであれば書類選考でお見送りになってしまうでしょう。
面接までたどり着けても油断は禁物です。
●「なぜ辞めたのか?」
●「なぜまたウチの会社に入りたいのか?」
これに矛盾なく納得感ある回答をするのは中々難しいでしょう。
また依然と同じ「あなた」であれば内定は出ません。
いまの「あなた」に何が出来るのか?
辞めた後どんな成長をしてきたのか?
それを明確にしておく必要もあります。
志望動機を明確に
「やっぱり元の職場が良かった」
「転職して、上手くいかなかった」
それだけでは受かりません。
「他社を経験したことで、御社の他にはない良さに改めて気づいた」
と素直に認めることは一つの手です。
どこがどんなふうに良いのか具体的に伝えましょう。
「他社では〇〇のような経験を積んできました。
以前御社にて経験した業務と組み合わせたら○○のような相乗効果が生まれると考えました。
御社で△△のような目標を達成したいと思い志望しております」
以前とは違う自分をアピールすることも一つの手です。
以前と同じポジションではなく更なる高みを目指していることを伝えましょう。
「私は将来○○のような仕事をしたいと考えております。
そのためには他社での△△のような経験が必要で一度退職しましたが、
やりたいことは変わらず御社で目指していきたいと考えています」
これは退職した時の退職理由との整合性が必要ですが、
もともと違う経験を積むために退職しているのであればアリでしょう。
自分のやりたいことは変わらず一貫しているとアピールしましょう。
転職先と合わずに逃げてきたと思われるような志望動機は絶対NGです!
参考:志望動機(志望理由)完全攻略!書き方と面接での伝え方を覚えて一発内定!(職種、状況別例文付き)
前回の退職理由はクリアになっているのか
前回の退職理由はクリアになっていのかも重要な選考ポイントです。
今回の転職理由や志望動機も同じですが全てポジティブに伝えることが大原則です!
そんなネガティブな退職理由は過去のことであってもいけません。
環境の所為にするような退職理由はおそらくクリアになっていないでしょう。
「○○の経験を積みたく転職をしました」
実際の転職先との整合性が必要ですが、自身のキャリアプラン上にあるのであればOKです。
「社外のことを学びたく、自身の視野を広げるためにも転職をしました」
これも無難でOKです!
何を学んで、どうゆう風に視野が広がったのかを説明できるようにしておきましょう。
参考:面接で失敗しない退職理由(転職理由)の答え方と例文一覧。目指せ一発内定!
辞めたときより成長していることを伝えよう
出戻りの転職が受け入れられやすいのは2通りの時期があります。
①退職後半年以内
②退職後3年以上たった後
この時期により伝えるべきことは変わります。
①であれば成長はしていないはずです。
ですが社外から見たときに何らかの気づきは合ったはずです。
②であれば職務から離れていた期間で
何を習得して、どう生かせるのかまでしっかりプレゼンできる用意をしておきましょう。
おそらく以前よりも上位のポジションを狙っているはず。
そこのポジションに値するような経験と成果を伝えましょう。
参考:転職での自己PR必勝法!履歴書への書き方から面接での伝え方まで全て網羅(例文付き)
そもそも出戻り転職すべきでない人
出戻り転職を考える前に、「あなた」は本当に前の職場に必要とされている人でしょうか?
必要とされていない職場に戻ることは想像以上に苦痛です。
っというよりも下記のような人は内定を取りずらいでしょう。
円満退職していない
辞めるときに揉めていませんか?
なんらかのわだかまりを抱えたまま退職した場合は
残された人たちは「あなた」に対して良い印象を持っていないでしょう。
例え、些細なことであっても辞めた後に噂は広がっているものです。
人間関係に問題があった
例え人間関係が上手くいかなかったのが一人の人だけであったとしても気をつけましょう。
人間関係でトラブったっ人はあなたが辞めた後、
ぼろくそに悪口を言っているかもしれません。
また、その職場に戻ったとしても「あなた」の味方は
いないと思った方が良いでしょう。
前回も早期退職している
前回在職時も3年以内に退職してしまっているような人は、
そもそも即戦力ではないかもしれません。
「どうせまた辞めるんだろ」
そう思われても不思議じゃありません。
出戻り転職が出来る人は、その会社に何らかの貢献をして
評価されてきた人だけだと思ってください。
引継ぎを十分にせず迷惑をかけた
辞め際が一番肝心です。
お世話になった会社であっても辞めることが決まった瞬間に
業務が雑になる人が大勢います。
ですが、残された人はとても大変です。
あなたが前回辞めたとき引継ぎは十分でしたか?
迷惑をかけていませんか?
出戻り転職でも受け入れられる人の特徴
出戻り転職でも受け入れられる人は実はあまり多くありません。
ですが、やるべきことをやり誠実に勤めた人にはチャンスがあります。
今一度、自分自身の仕事を振り返ってみましょう。
退職後も上司や同僚と連絡を取り合える関係性
連絡を取り合って関係性が気づけている人は
受け入れてもらえる可能性が高いです。
出産などでの已むをえない事情での退職だった場合
出産や介護などの已むをえない事情で
「辞めたくないのに退職した人」
に関しては、企業も寛容に受け入れてくれるでしょう。
職場の人も事情を理解してくれると思います。
ですが、あくまであなたが退職前に誠実に仕事をしてきた場合のみです。
他社で確実に成長している人
出戻り転職で後悔する人の多くが、前いたポジションに近いところで入社しています。
ですが、他社で成長して成果を上げて以前より上のポジションで入社すれば
気にすることは無いのです!
むしろ尊敬のまなざしを向けられることすらあるでしょう。
まとめ
出戻り転職は思ったよりも難易度が高いです。
軽い気持ちで「元に戻ろっと」ではいけません!
確かに新しい職場への転職はストレスがかかり不安も大きいでしょう。
ですがそのストレスはあなたが成長している証拠です!
あくまで選択肢の一つとして出戻り転職を考えましょう。
この記事の監修者
キャリアコンサルタント
兵庫 直樹
国家資格キャリアコンサルタント。大手外資系ホテル勤務を経て、15年に亘り、マネジメント業務に従事。 その中で人材関連に興味を持ち、キャリアコンサルタントを取得し人材業界へ。その後、持ち前のコミュニケーション能力と資格を生かし、ハローワークにて就業支援に従事してきた異例の経歴!