労働関係法令の知識⑤労働契約法についての知識まとめ~キャリアコンサルタント量産計画

何個法律あるのさ!
労働基準法とは違うの!?

労働基準法は労働条件の最低基準
労働契約法は個別の労働契約について書かれた法律だよ!

労働基準法に書けばいいじゃんか!

労働契約法は比較的新しいんだ。
2007年にできた法律で、
近年労働者の就業形態が多様化している関係で
多くの労働契約上の問題が発生したから後から付け足した
って感じかな

参考:労働契約法

労働契約法とは労働者と使用者の間で締結される労働契約について定めた法律です。

労働契約法第一条

この法律は、労働者及び使用者の自主的な交渉の下で労働契約が合意により成立し、
または変更されるという合意の原則その他労働契約に関する基本的事項を定めることにより、
合理的な労働条件の決定または変更が円滑に行われるようにすることを通じて、
労働者の保護を図りつつ個別の労働関係の安定に資することを目的とする

なるほど、自主的な交渉で合意が必要なんだ

うん。でも自主的・合意って言っても
やっぱり使用者の方が立場強くなっちゃうじゃん?
だから、労働契約法で労働者を守ってるんだ

・労働契約は労働者及び使用者が対等の立場での合意で締結・変更すべきものとする(労使対等の原則

・労働者及び使用者が労働契約を締結する場合、
 使用者が合理的な労働条件が定められている就業規則を労働者に周知させている時には
 労働契約の内容はその就業規則で定める労働条件によるものとする。
 ただし、労働契約において労働者及び使用者が
 就業規則の内容と異なる労働条件を合意していた部分についてはこの限りでない。

優先順位は
法律>労働協約>労使協約>就業規則>労働契約
ってことだね!

・使用者は原則として労働者と合意することなく、
 就業規則を変更することで労働契約の内容である労働条件を
 労働者の不利益になるように変更することはできない。
 ただし、変更後の就業規則の内容が合理的なものとみなされる場合は例外となる

そもそも合意なく変更できないんじゃないの?

それは労働契約だよね
就業規則は労働組合とか労働者の過半数を代表する者の意見
を聞いて変更できるんだ。

意見を聞くかぁ
じゃー個人の意見なんか無視されそうだね

うん、だから不利益になるような変更は原則できない
って規定を入れてるんだ

就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める
 労働契約はその部分については無効とする。
 この場合において無効となった部分は就業規則で定める基準による

・就業規則が法令または労働協約に反する場合には
 その反する部分については法令または労働協約の適用を受ける労働者との間の労働契約については適用されない

ここでも
法律>労働協約>労使協約>就業規則>労働契約
が関係してくるね

・解雇は客観的に合理的な理由を欠き、
 社会通念上相当であると認められない場合はその権利を濫用したものとして無効とする

日本企業で解雇するのは大変なんだ、、、
だから海外と比べて実力主義が広まらないんだろうね

・使用者は期間の定めのある労働契約(有期労働契約)について
 やむをえない事由がある場合でなければ
 その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することが出来ない

正社員じゃなくても解雇は難しいんだね

・同一の使用者との間で締結された2つ以上の有期労働契約の通算契約期間が5年を超える労働者が使用者に対し、現に締結している有期労働契約の契約期間が満了する日までに、その満了する日の翌日から労務が提供される機関の定めのない労働契約の締結の申し込みをしたときは、使用者はその申し込みを承諾したものとみなす(無期転換ルール

なにこれ?

つまり労働者が正社員になるのを希望しているにも関わらず
ずっと非正規雇用のまんま雇い続けるのを禁止したんだ。

でもそしたら、派遣社員とかを5年以内で契約打ち切る
企業が出てきて、大変な思いをした人もいるよ

・有期労働契約で下記①②のいづれかに該当するとき
 契約期間が満了する日までに労働者が契約の更新の申し込みをした場合、
 または契約期間の満了後遅滞なく有期労働契約の締結の申し込みをした場合、
 使用者がその申し込みを拒絶することが
 客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当であると認められないときは
 使用者は従前の有期労働契約の内容である
 労働条件と同一の労働条件でその申し込みを承諾したものとみなす(雇止め法理の法制化

①過去に反復して更新されたことがある有期労働契約であって、
 その契約期間の満了時に契約を更新しないことにより
 契約を終了させることが期間の定めのない労働契約を締結している労働者に
 解雇の意思表示をすることと社会通念上同視できると認められること

②労働者が有期労働契約の契約期間の満了時に
 契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があると認められること

なるほど、、、有期労働契約であっても
労働者が望んだら簡単に打ち切ることはできないんだね

・有期労働契約の労働者の労働条件が、期間の定めがあることにより、
 期間の定めのない労働契約を締結している労働者の労働条件と相違する場合、
 その労働条件の相違は、労働者の業務の内容及び業務に伴う責任の程度などの事情を考慮して
 不合理と認められるものであってはならない

これは同一労働同一賃金とは違うの?

まあー一緒だよね。
実はこれ今はもう削除されてるんだ。
この条文は基準が明確ではないんだ。
それが明確にされて同一労働同一賃金に変わったんだ。
これについては働き方改革関連法で詳しく解説するよ

有期労働契約が満了した時に使用者が一方的に契約の更新を拒否することを雇止めと言います。
雇止めの法理とは合理的な理由のない雇止めを違法とする考え方で
最高裁判所の判例により形成されたいわゆる判例法理でしたが
2013年に施行された改正労働契約法により法制化されました。
無期転換ルール、不合理な労働条件の禁止もこの改正法に盛り込まれた規定です。

この記事の監修者

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キャリアコンサルタント

兵庫 直樹

国家資格キャリアコンサルタント。大手外資系ホテル勤務を経て、15年に亘り、マネジメント業務に従事。 その中で人材関連に興味を持ち、キャリアコンサルタントを取得し人材業界へ。その後、持ち前のコミュニケーション能力と資格を生かし、ハローワークにて就業支援に従事してきた異例の経歴!

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