面接代行とは?業務委託できる内容や選ぶ際のポイントを徹底解説
「採用活動をしたいけど、社内のリソースが足りない…」
「面接代行というのがあると聞いたけど、どんな業務を依頼できるのだろうか…」
このようなお悩みはありませんか?
少子高齢化の社会の中で、採用活動は激化しており、人材の確保は非常に難しくなっています。
この記事では、採用活動を成功させるための1つの方法である「面接代行」について、委託できる業務内容やメリット・デメリット、選ぶ際のポイントを詳しく紹介します。
採用活動を効率的に成功させたいと思っている企業の方は、ぜひ参考にしてください。
目次
1.面接代行のアウトソーシングとは?
面接代行のアウトソーシングとは、企業の採用面接をほかの企業に委託することです。
一般的に、採用代行サービスの一部として含まれることが多く、企業の代わりに面接にかかわる業務を行います。
面接と一言にいっても、個別面接やグループ面接、グループディスカッションなど、面接の種類は多岐に渡っています。
そうした面接業務にかかわる企画や運営を外部に委託できることが、面接代行サービスです。
面接業務(一例)
- 個別面談やグループ面談、グループディスカッションなど面接方法の検討
- 面接での質問内容の検討
- 面接での評価基準の検討
- 面接日程の調整
- 面接の実施
- 面接した応募者の評価 など
2.面接代行の業務内容
前述のように、面接代行は外部の企業に面接にかかわる業務を委託することです。
ここでは、詳しくどのような業務ができるのかを解説します。
(1)採用したい人材、採用ゴールのすり合わせ
面接代行の業務内容の1つ目は、クライアントに必要な採用ターゲットのすり合わせです。
面接を行う前に、自社の強みや採用での課題、現行の面接状況をヒアリングし、採用したい人材、採用のゴールを明確にすることが可能です。
自社で悩んでいると見つからないような課題を見つかることもでき、面接代行サービスを活用するメリットの一つにもなっています。
(2)個人面接やグループ面談など多様な面接の企画・実施
面接代行の業務内容の2つ目は、個人面接やグループ面談など多様な面接を自社の代わりに企画、運営をしてくれます。
面接といっても個人面談やグループ面談など種類が多く、どのような人材を確保したいかで効果的な面接手法が異なります。
そのため、自社で一から新しい面接手法を実施しようとした場合、社員の業務量が増えるだけでなく効果的な面談をできないという事態に陥ることがあります。
面接代行では、こうした煩わしい業務を委託することができます。
また、実際の面接・面談の実施から面接後の評価・フィードバックまで委託可能です。
面接代行業者の中には、面接・面談中に録画を行い、面接内容や評価ポイントを記載し、録画した動画と一緒に納品するところもあります。
(3)質問内容や評価基準の策定
面接代行の業務内容の3つ目は、質問内容や評価基準の策定を行います。
前述のように面接手法は多く、それぞれでどんな質問や課題を与えるか、何に注目すればいいかなど、検討すべき事項をアウトソーシングすることができます。
事前にすり合わせた採用ターゲットに合わせて、評価基準や評価項目を検討し、具体的な質問内容の設定を行います。
さらに、面接時に使用する評価シートの作成を行い、面接代行による評価基準のズレをなくすサービスをしている企業もあります。
3.面接代行、採用代行、人材紹介の違いとは?
ここでは、面接代行と一緒に語られることが多い、採用代行と人材紹介との違いについて解説します。
前述の通り、面接代行は、採用代行のサービスの一部であり、面接代行のアウトソーシングを行っている採用代行サービスが多いです。
(1)採用代行の業務内容
採用代行は、採用アウトソーシングやRPO(Recruitment Process Outsourcing)とも呼ばれ、面接にかかわらず、採用活動にかかわる業務全般を実施することが可能です。
採用代行のサービス内容は、大きく分けて、「求人・スカウト代行」、「応募者スクリーニング代行」、「面接代行」の3つのサービスです。
面接代行サービスは、前述の通り、面接にかかわる業務の代行サービスとなります。
一般的な採用代行では、自社の採用課題や予算などから代行するサービスを設計するため、採用活動すべてだけでなく、一部のサービスのみでも検討可能です。
例えば、採用活動の求人募集で課題がある企業であれば、求人サイトやツール、求人広告の運用などを委託できます。
また、応募情報の入力や日程調整、合否連絡といった採用業務の中での細かい業務のみを外注することも可能です。
#1:求人・スカウト代行
求人・スカウト代行とは、応募者を増やすための求人活動を代行するものです。
具体的には、スカウト候補者のリストアップや選定、スカウト文面テンプレートの作成、スカウトメールの送信、スカウト数値の振り返りなどを行います。
ビズリーチやWantedly、リクナビなど大手求人サイトを活用し、採用活動を支援します。
#2:応募者スクリーニング代行
応募者スクリーニング代行とは、選考過程における書類選考などで、採用対象者かどうかを振り分ける業務を代行するサービスです。
応募者を事前に決められた要件に従って書類を確認し、対象にならない応募者を振り分ける業務です。
応募者数が多くなる傾向にある新卒採用などでよく利用されるサービスです。
応募者スクリーニングでは、最終学歴や職歴、必要資格・経験の有無など、定量的に決められる内容について機械的に振り分ける業務がメインとなります。
(2)人材紹介の業務内容
人材紹介とは、候補者の選定や紹介、応募者の日程調整対応など、入社までの業務を代行するものです。
具体的には、転職支援サービスやハローワークのような、候補者を探すところから、候補者の応募意志の確認や企業への紹介、合否連絡などを行います。
ただし、人材紹介社経由以外の他のルートからの応募者の対応業務は行わず、紹介した応募者が入社に至った場合のみ費用が発生するものが一般的です。
4.面接代行のアウトソーシングを活用する4つのメリット
ここでは、面接代行のアウトソーシングをするメリットについて説明します。
(1)質の高い採用活動を行うことができる
面接代行サービスを利用することで、採用活動の質を向上することができます。
面接代行会社は、さまざまな会社での採用活動を支援しているケースが多く、採用活動でのノウハウを多く持っており、知見があるためです。
特に、自社と同じ業界や求めている応募者を担当したことがある面接代行会社を利用することで成功率を高めることができます。
さらに、面接代行会社が行う面接手法や考え方、面接に同席することで、彼らのノウハウを自社で活用することが可能です。
ただし、面接を完全に丸投げしてしまうと、採用におけるノウハウが蓄積されづらくなってしまうので、可能な限り一緒に採用活動を行うことをおすすめします。
(2)人事担当者など社内リソースの負担を軽減できる
面接代行サービスを利用することで、人事担当者など社内リソースの負担を軽減できます。
自社だけで行う場合、面接や面談で現場社員の同席等が必要となり、採用担当者だけでなく、全社として業務負担となってしまいます。
特に、採用基準に満たない応募者が集まりやすい「一次面接」をアウトソースすることで、採用基準に合った応募者の面接のみに注力することができます。
また、面接キャンセルなど、面接官の無駄な時間ややりとりを軽減することも可能です。
応募者の管理や面接日程の調整など、細かな業務のみのアウトソーシングを依頼するだけでも、社員の業務改善をすることもできるでしょう。
(3)採用基準や評価基準を明確にすることができる
面接代行サービスを利用することで、採用基準や評価基準を明確にすることができます。
面接代行会社では、クライアントのヒアリングをすることで最適な方法を検討しますが、その中でヒアリングを受ける企業も自社を多角的に見つめなおすことができるためです。
「自社に必要な人材はどんな人材か」、「企業文化に合う人はどんな人か」などを一緒に言語化し、統一した基準にすることを助けてくれます。
そうすることで、今後の採用活動にも生かすことができます。
(4)応募者の志望度が高まり、離脱者が抑制される
面接代行サービスを利用することで、応募者の志望度が高まり、離脱者を抑制することができます。
面接代行とのヒアリングや評価基準の策定により、自社の求める人材が明確になっているため、応募者に不安を与えることなく採用を進めることができるためです。
さらに、面接担当の人員が増加するため、選考スピードの遅れによる応募者の志望度の低下を抑えることも可能になります。
5.面接代行のアウトソーシングを活用する3つのデメリット
ここでは、面接代行のアウトソーシングをするデメリットについて説明します。
(1)認識の齟齬で採用が失敗するリスクがある
面接代行サービスを利用することで最も多い失敗例は、認識齟齬で、自社のターゲットと違う選考をしてしまうリスクです。
業務改善のために依頼している場合など、十分に面接代行業者と業務内容や採用ターゲットをうまく擦り合わせすることができなかった場合、発生してしまうことがあります。
そのため、面接代行業者に依頼するときは、事前の打ち合わせから丸投げにするのではなく、任せたい業務をある程度自社で検討してから依頼をしましょう。
自社の希望をしっかり伝えられないと、採用したい人物や業務遂行の方法などで期待に満たない結果となってしまいます。
(2)内定者とのコミュニケーション不足になりやすい
面接代行サービスを利用することで、内定者との関係性が希薄になるリスクがあります。
委託先の担当者と応募者の間で信頼関係ができてしまうと、入社後に知っている採用担当者がいなくて不安に思う内定者が出てくることがあります。
応募者にとって、面接代行会社の担当者もその会社の社員と思って接するため、ミスマッチが生じることも。
最終面接からの対応や内定通知の電話など、採用活動でスクリーニングが済んだ有力な候補者には、自社の社員がコミュニケーションをとるようにしましょう。
(3)面接代行は違法行為ではないが適切な許可を得る必要がある
面接代行サービスを利用することは、違法行為ではありませんが、正しい手続きをしていないと法律的なリスクがあります。
面接代行会社や採用代行会社などに委託する場合には、委託者と受託者の双方が、厚生労働大臣、あるいは管轄の地方自治体の労働局長から許可を取得しなければなりません。
なお、人材紹介会社のように、企業に候補者を斡旋する場合などは。「職業紹介」と呼ばれ、こうした許可は不要となります。
さらに、職業安定法では「必要な範囲を超える求職者の個人情報を同意なしに収集してはならない」と定められており、面接時に不適切な質問をすると違法となってしまう場合もあります。
こうしたリスクを防ぐためにも、面接代行会社に「不適切な質問はなにか」をきちんと把握しているか、事前に確認しておきましょう。
6.失敗しない!面接代行を選ぶ際の4つのポイント
面接代行会社を選ぶ際に注意すべきポイントをご紹介します。
(1)委託する業務を自社で検討しておく
事前に、委託する業務を自社で検討しておきましょう。
面接代行は、実際の面接や面談だけでなく、応募者の管理や評価シートの作成サービスなど、多くのサービスを提供しています。
面接における全ての業務をアウトソーシングすると多くの費用がかかってしまい、逆に採用担当者を採用した方がよかったということも。
そのため、面接代行を依頼する場合には、まずは自社のリソースや依頼する目的を明確にしましょう。
(2)自社と近い業種の実績があるか
面接代行会社を選ぶ際は、自社と近い業種や採用したい人材の支援実績があるかを確認しましょう。
面接代行は支援実績が豊富ですが、業種や求める人材によって推進するアプローチや手法は異なるため、自社と近い業種や求める人材での実績があると確実です。
特に、エンジニア職など専門知識が必要な職種の場合、面接でも専門知識への深い知見が必要になるため、「専門に特化した面接代行会社」を選ぶこともおすすめです。
(3)料金体系をチェックする
面接代行会社を選ぶ際は、費用対効果や料金体系をチェックしましょう。
面接代行会社には、月額パッケージでの支援をする会社や実稼働に対する費用を請求する会社など、費用形態は様々です。
依頼した後で「想定していた費用よりも高くなってしまった」ということがないように、事前に業務内容を決めることはもちろん、費用についても確認しましょう。
(4)柔軟な対応ができるかどうか
面接代行会社を選ぶ際は、柔軟な対応ができるかどうかも重要です。
採用活動を続ける中でも外部環境や自社の環境は大きく変わっていくため、追加の要望にも柔軟に対応できる会社か確認しましょう。
特に初めて依頼する場合は、事前に検証を進めても小さな抜け漏れが起こるため、事前に修正を依頼する可能性があることを相談することをおすすめします。
まとめ
面接代行は、採用活動を効率的に進めるために非常に有用なサービスの一つです。
現在、少子高齢化の流れから労働人口は減少しており、採用市場は激化しております。
さらに、リモートワークの広がりなど、働き方も多様になる中で、最適な採用活動を行うことは企業の成長にとって欠かせないものとなります。
面接代行のアウトソーシングについて、今回ご紹介したメリットやデメリット、選ぶ際のポイントを参考に、ぜひ貴社の採用を成功させましょう。
MakeCareerでは採用活動に関わる支援を行っています。
採用活動を効率化したい、採用リソースが不足しているという方はお気軽にご相談ください。
この記事の監修者
キャリアコンサルタント
兵庫 直樹
国家資格キャリアコンサルタント。大手外資系ホテル勤務を経て、15年に亘り、マネジメント業務に従事。 その中で人材関連に興味を持ち、キャリアコンサルタントを取得し人材業界へ。その後、持ち前のコミュニケーション能力と資格を生かし、ハローワークにて就業支援に従事してきた異例の経歴!