職業能力開発基本調査のまとめ/職業能力の実態とは~キャリアコンサルタント量産計画
前回ご紹介した職業能力開発促進法や職業能力開発基本計画がどの程度実施されているのかの調査です!
全部暗記しないでも大丈夫です!
どの程度の数字なのか、何が課題なのかを理解しましょう!
まずは企業の従業員教育への投資を見ていきましょう!
自己啓発支援
自己啓発支援への投資
OFF-JTまたは自己啓発支援に支出したのは企業全体の57.5%。
まだまだ全体の4割以上の企業では研修に投資が出来ていないようです。
正社員に実施したのが75.1% 正社員以外に実施したのが39.5%です。
しかし、すでに実施している企業では正社員・正社員以外ともに能力開発への支出は増加の傾向にあります。
正社員
OFF=JTに対する支出が「増加した」約24%「減少した」約6%
ただ、実績なしが約40%となっています。
今後の見込みについても「増加予定」約32%「減少予定」約1%
ただこちらも実施しない予定が約33%あります。
正社員以外
「増加した」約9%「減少した」約2%
実績なしが65%
「増加予定」13%「減少予定」0.2%
実施しない予定が約68%
ウーム、、これを見るとやはり正社員と正社員以外の教育面での格差は大きいですね
ではその企業内での取り組みとして
教育訓練休暇制度の導入状況はどうでしょうか
教育訓練
教育訓練休暇制度
導入しているが約8%、導入予定が約10%、導入する予定ないが約79%
日本ではリカレント教育はまだまだ浸透していかないですね、、、
そうだよね、
そもそもOFF-JTですら導入してるの57%なんだから
休暇となるともっと少ないよね、、、
ではOFF-JTではなくOJTであればどうでしょう!
OJTの現状
私の感覚的にほとんどの会社がやっているものだと思っていましたが
意外にも計画的なOJTを実施している事業所は約64%
では実施している事業所は誰に対して行っているのか?
新入社員56%、中堅社員40%、管理職24%、正社員以外29%
新入社員ですら4割以上が計画的な研修を受けていないんですね、、、
そして正社員以外の実施率がいかに低いかがわかるかと思います
え!OJTしてない会社こんなにあるの?
OJTもOFF-JTも企業規模が大きいほど実施率は高くなっているよ
正社員の計画的なOJTは増加しているけど、
実は正社員以外へのOJTは減少傾向なんだ
ではなぜこのように人材育成をしない事業所が多くあるのでしょうか?
実は能力開発や人材育成に関して何らかの「問題がある」とする事業所は76.5%もあります。
人材育成に関しての問題
1位 指導する人材が不足している
2位 人材を育成しても辞めてしまう
3位 人材育成を行う時間がない
指導しないから人が辞めちゃうんじゃないの?
それもあると思う!
キャリアコンサルティングとか研修とかは
従業員のモチベーションアップにつながるからね
でも現実問題、中小企業ではそれほど
人手不足なんだよ
ではキャリア形成についてはどうでしょうか?
キャリアコンサルティングの導入状況
キャリアコンサルティング導入状況
キャリアコンサルティングを導入している事業所は約40%
産業別にみると金融業、保険業が83%と高くなっています。
そして企業規模別にみるとやはり、
企業規模が大きくなるほど導入している割合が高くなっています。
ではどんな時に実施するのか?
1位 労働者からの求めがあったとき
2位 人事評価のタイミングに合わせて実施する
となっております。
労働者が求めたときに実施ってそれは計画性があるのやらないのやら。
また、資格を有するキャリアコンサルタントが行っている事業所はまだ10%程度。
需要がありそうですな!
キャリアコンサルタントってそんなに少ないんだね、、、
うん、キャリアコンサルタントは企業に属してる場合もあれば
ハローワークとか人材紹介会社とか様々なところで活躍してるからね
企業内のキャリアコンサルタントはまだまだ10%程度
そもそも何でキャリアコンサルティングを行うの?
キャリアコンサルティングの課題と結果
キャリアコンサルティングをやる理由・やらない理由
キャリアコンサルティングをやる理由
1位 労働者の仕事に対する意識を高め職場の活性化を図るため
正社員77% 正社員以外75%
2位 労働者のの自己啓発を促すため
正社員67% 正社員以外57%
キャリアコンサルティングをやらない理由
1位 労働者からの希望がない
正社員42% 正社員以外39%
2位 相談を受けることのできる人材を内部で育成することが難しい
正社員36% 正社員以外27%
「労働者からの希望がない」か、、、
ほんとにそうなのかな
キャリアコンサルティングを実際に受けたら効果を感じられるんだろうけどね、、、
受けたことなかったら、「忙しいのにそんな暇はない!」
っていうのが本音じゃないかな
しかし、キャリアコンサルティングを行っているからと言って安心ではありません。
キャリアコンサルティングを行う上で問題があると考えている事業所は何と67.3%!
キャリアコンサルティングを行う上での問題点
1位 労働者からのキャリアに関する相談件数が少ない
これが圧倒的に多いです。
そもそも事業所で相談を受けているのがキャリアコンサルタントであるのは10%程度。
そして、ジョブ・カードの認知度は何と2.7%のみ
まだまだ、キャリアコンサルタントが知られていないですね、、、
たしかにジョブ・カードってハローワーク位でしか聞いたことないかも
ではキャリアコンサルティングは役に立つのでしょうか?
キャリアコンサルティングを行った結果
1位 仕事に対する意識が高まった
正社員53% 正社員以外49%
2位 自己啓発を行うきっかけになった
正社員29% 正社員以外19%
何らかの効果はもたらしているようですね
では職業能力評価についてはどうでしょう。
職業能力評価について
職業能力評価を行っている事業所は約54%
実はこの数字2014年以降ほとんど変わっていないんです。
っというよりも2010年~2013年までは60%台だったので下がっていますね
職業能力評価に検定・資格を利用している事業所は53.5%
職業能力評価は人事考課の判断基準にされていることが多いです
まじ!?
54%しかないの?
まあ色んな事業所があるからね、、、
家族経営だったり、拡大予定のない企業なんかは必要としないんじゃないかな
この記事の監修者
キャリアコンサルタント
兵庫 直樹
国家資格キャリアコンサルタント。大手外資系ホテル勤務を経て、15年に亘り、マネジメント業務に従事。 その中で人材関連に興味を持ち、キャリアコンサルタントを取得し人材業界へ。その後、持ち前のコミュニケーション能力と資格を生かし、ハローワークにて就業支援に従事してきた異例の経歴!